岡山県北の弁護士 津山総合法律事務所  

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岡山弁護士会懲戒委員会議決書の事実の歪曲と詭弁的論理

岡山弁護士会懲戒委員会議決書の事実の歪曲と詭弁的論理について

 

      

    

    2020年懲(審)第27号事件

 

         主  張  書  面

               

                           令和2年10月30日

 

    日本弁護士連合会懲戒委員会 御中

 

                審査請求人   黒   田      彬 ㊞

 

 

      令和2年9月10日付審査請求書には舌足らずの点があるため,以下に

    主張を補足する。

     1 懲戒委員会の議決書の事実の歪曲

       岡山弁護士会の懲戒委員会の議決書は,懲戒請求事由1として,以下

      の事実を認定している。

         

            対象弁護士は上記ウェブサイトのサイト内リンクの「西村綜

        合法律事務所(西村・一法師)のインターネット上のサギ広告問

        題1」と表示された「詳しくはこちらから」の箇所をクリックし

        たページに,岡山弁護士会へ懲戒請求者らを懲戒請求をしたこと

        について,以下の説明とともに3月11日付け懲戒請求書を掲載

        した。

         「弁護士法人西村総合法律事務所が行っているサギ広告とは,

        同弁護士法人が開設した「津山の弁護士による交通事故・後遺障

        害相談(弁護士法人西村綜合法律事務所)」と題するインターネ

        ット上のサイトにおいて,同弁護士法人が,交通事故の示談交渉

        について,「岡山県北有数のご相談・解決実績」を有し,「大幅

        な賠償金の増額実績多数」を有すると宣伝し,「最新」の「解決

        事例」として7件の事件を表示しているが,真実には,7件の事

        件のうち,同弁護士法人が示談交渉を受任した事件は3件にすぎ

        ず,4件の事件は,一法師が同弁護士法人の社員となる以前に東

        京の法律事務所に勤務弁護士として在籍していた時期に関与した

        事件を,同弁護士法人が受任した事件であるかのように偽装して

        いるものであるというものであって,極めて悪質なものといわざ

        るをえません。

         弁護士が,弁護士の懲戒処分を弁護士会に請求するというのは

        異例のことでありますが,弁護士法人西村綜合法律事務所は,上

        記のようなサギ広告をインターネット上において常習的に行って

        おり,同弁護士法人のインターネット上のサギ広告をこのまま放

        置することは,津山の弁護士の信用と秩序を著しく毀損するもの

        であるため,やむなく今回の措置をとることにいたしました。」

         そして,3月11日付け懲戒請求書には,「対象弁護士西村及

        び対象弁護士一法師のごとく,弁護士でありながら,サギ師同然

        の行為を行って恥じることのない輩」という表現も記載されてい

        た。

                           (同書・12~13頁) 

       

       上記の懲戒委員会が認定している事実からも明らかなように,審査

      請求人が,本件サイトの広告を「サギ広告」と批判し,懲戒請求者らを

      「弁護士でありながら,サギ師同然の行為を行って恥じることのない

      輩」と批判したのは,

       A 表 示  「岡山県北有数のご相談・解決実績」

              「大幅な賠償金の増額実績多数」

              「最新」の「解決事例」として7件の事件を表示

         真 実  7件の事件のうち,西村綜合法律事務所が示談交渉

             を受任し,賠償金の増額を実現した岡山県北の事件は

             3件にすぎず,4件の事件は一法師が同事務所に入所

             する以前に東京の法律事務所に在籍していた時期に関

             与した事件を同事務所の「最新」の「解決事例」とし

             て偽装しているものである

      という表示と真実の不一致を問題としているものであって,審査請求

      人は,

       B 表 示  「4件の事件」を西村綜合法律事務所の「最新」の

             「解決事例」として表示

         真 実  「4件の事件」は一法師が西村綜合法律事務所に入

             所する以前に東京の法律事務所に在籍していた時期に

             関与した事件である

      という表示と真実の不一致を「サギ広告」として批判しているのでは

      ない。

       Bの表示と真実との不一致はそれ自体としては必ずしも悪質とはい

      えないものであることは審査請求人も認めていることであり,審査請

      求人が本件において上記A,Bの二つの表示と真実の不一致を問題と

      しなければならなかった事情については,審査請求書に詳論したとお

      りである。

       したがって,これを,懲戒委員会の議決書が,後記のように,審査

      請求人が,「西村綜合法律事務所等のウェブページにおいて本件4事

      例を同事務所等の解決事例であるように掲載したこと」(Bの表示と

      真実の不一致)を,「これを捉えて「サギ広告」であると決めつけ,

      「弁護士でありながら,サギ師同然の行為を行って恥じることのない

      輩」などと懲戒請求者らが詐欺を行っている者であるかのように貶め」

      たとしているのは,まったく事実を歪曲しているものである。

       2 懲戒委員会の議決書の詭弁的な論理

       懲戒委員会の議決書が,審査請求人が本件サイトの広告を「サギ広

      告」と批判した行為が弁護士の「品位を失うべき非行」に該当すると

      する論理は,以下のようなものである。

       

         西村綜合法律事務所の「津山の弁護士による交通事故・後遺障

        害相談」のウェブサイトのページには,「岡山県北有数のご相談

        ・解決実績」とか「大幅な賠償金の増額実績多数」とか「交通事

        故の圧倒的な経験と実績」などの記載があり,交通事故事案の解

        決に関心をもってこのウエブサイトのページを閲覧した市民は,

        本件4事例をも西村綜合法律所において取り扱った事例の例示と

        して認識するのが自然である。

                     (中略)

         しかしながら,本件4事例を取り扱った一法師は現に西村総合

        法律事務所に勤務する弁護士で,交通事故の取扱実績も多く,弁

        護士法人としての西村綜合法律事務所には本件4事例を含む交通

        事故事案の経験豊富な弁護士が在籍していることに偽りはないか

        ら,交通事故事案の経験が乏しいのに経験のある事務所であるか

        のように見せかけて依頼へ導くといった類いのものではなく,ま

        た,交通事故事案の未経験であることに伴う実害を生じさせるも

        のでもない。

         したがって,西村綜合法律事務所等のウェブページにおいて本

        件4事例を同事務所等の解決事例であるかのように掲載したこと

        は,記載の仕方として適切とは言えないとしても,詐欺などと評

        価される程のものではなく,これを捉えて「サギ広告」であると

        決めつけ,「弁護士でありながら,サギ師同然の行為を行って恥

        じることのない輩」などと懲戒請求者らが詐欺を行っている者で

        あるかのように貶める攻撃的言辞はあまりにも行き過ぎたもので,

        同僚の弁護士である懲戒請求者らを不当に誹謗,中傷するもので

        あると言わざるを得ない。

                          (同書・20~21頁)

 

 

       本件サイトが「4件の事件」を西村綜合法律事務所の「最新」の「解

      決事例」として表示していても,「弁護士法人としての西村綜合法律

      事務所には本件4事例を含む交通事故事案の経験豊富な弁護士が在籍

      していることに偽りはない」から,「記載の仕方として適切とは言え

      ないとしても,詐欺などと評価される程のものではない」とする懲戒

      委員会の議決書の論理は,

       ① 本件サイトの広告が,西村綜合法律事務所には「交通事故事案

        の経験豊富な弁護士が在籍していること」を宣伝しているもので

        あり,

       ② 審査請求人が,前記Bの表示と真実の不一致を「サギ広告」と

        批判している

      限りにおいて,成り立つものである。

       しかし,

       ①´本件サイトの広告は,西村綜合法律事務所が,交通事故の示談

        交渉について,「岡山県北有数のご相談・解決実績」,「大幅な

        賠償金の増額実績多数」を有する法律事務所であることを宣伝し

        ているものであり,

       ②´審査請求人は,前記Aの表示と真実の不一致を「サギ広告」と

        批判している

      のである。

       懲戒委員会の議決書は,「西村綜合法律事務所の「津山の弁護士によ

      る交通事故・後遺障害相談」のウェブサイトのページには,「岡山県

      北有数のご相談・解決実績」とか「大幅な賠償金の増額実績多数」と

      か「交通事故の圧倒的経験と実績」などの記載があり,交通事故事案

      の解決に関心をもってこのウェブサイトのページを閲覧した市民は,

      本件4事例をも西村綜合法律事務所において取り扱った事例の例示と

      して認識するのが自然である」としているが,本件サイトを閲覧した

      市民が「本件4事例をも西村綜合法律事務所において取り扱った事例

      の例示として認識する」ということは,「4件の事件」を含む7件の

      事件を西村綜合法律事務所の「岡山県北有数のご相談・解決実績」,

      「大幅な賠償金の増額実績多数」の「事例の例示として認識する」と

      いうことである。

       本件サイトを閲覧した市民は,「解決事例」のページに「最新」の「解

      決事例」として7件の事件が表示されており,その中には990万円

      という多額の賠償金の増額を実現した事件もあることを確認して,本

      件サイトの,西村綜合法律事務所が,交通事故の示談交渉について,

      「岡山県北有数のご相談・解決実績」,「大幅な賠償金の増額実績多数」

      を有するという宣伝を真実なものと考えるのである。

       ところが,真実には,7件の事件のうち,西村綜合法律事務所が示談

      交渉を受任し、賠償金の増額を実現した岡山県北の事件は3件にすぎ

      ず,990万円という多額の賠償金の増額を実現した事件を含む4件の

      事件は,一法師が同事務所に入所する以前に東京の法律事務所に在籍

      していた時期に関与した事件を同事務所の「最新」の「解決事例」と

      して偽装しているものなのである。

       懲戒委員会の議決書は,本件サイトが「4件の事件」を西村綜合法

      律事務所の「最新」の「解決事例」として表示していることを,「記

      載の仕方として適切とは言えないとしても,詐欺などと評価される程

      のものではな」いとするが,交通事故の示談交渉について,「岡山県

      北有数のご相談・解決実績」,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有

      する法律事務所が,その広告に同事務所に所属する弁護士が同事務所

      に所属する以前に他の法律事務所に在籍していた時期に関与した事件

      を「最新」の「解決事例」として表示しなければならない理由はない

      のであって,本件サイトの広告が,西村綜合法律事務所が,交通事故

      の示談交渉について,「岡山県北有数のご相談・解決実績」,「大幅

      な賠償金の増額実績多数」を有すると宣伝しながら,「最新」の「解

      決事例」として表示している7件の事件のうちの4件までが一法師が

      同事務所に入所する以前に東京の法律事務所に在籍していた時期に関

      与した事件であるのは,本件サイトの開設当時,西村総合法律事務所

      には「大幅な賠償金の増額実績」として宣伝できる事件は乏しく(本

      件サイトが開設された平成29年8月当時,「最新」の「解決事例」

      として表示されていたのは「4件の事件」のみであった。),本件サイ

      トにおいて,同事務所が,交通事故の示談交渉について,「岡山県北

      有数のご相談・解決実績」,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有す

      るという宣伝を行うためには,「4件の事件」を同事務所の「最新」の

      「解決事例」として偽装することによって,「解決事例」の件数の水

      増しを行う必要があったためであるということは,容易に推察できる

      ことではないか。

       本件サイトの広告は,広告の受け手である一般市民の事務所選択の

      意思決定に影響を及ぼす重要な部分において意図的に虚偽の表示を行

      い,不当に顧客を誘引しているものであって,本件サイトが「4件の

      事件」を西村綜合法律事務所の「最新」の「解決事例」として表示し

      ていても,「弁護士法人としての西村綜合法律事務所には本件4事例

      を含む交通事故事案の経験豊富な弁護士が在籍していることに偽りは

      ない」から,「記載の仕方として適切とは言えないとしても,詐欺な

      どと評価する程のものではない」とする懲戒委員会の議決書の論理は,

      本件サイトの広告が,西村総合法律事務所が,交通事故の示談交渉に

      ついて,「岡山県北有数のご相談・解決実績」,「大幅な賠償金の増

      額実績多数」を有する法律事務所であることを宣伝しているものであ

      ることを無視した詭弁というほかないものである。

       本件サイトの広告の内容は,「懲戒請求者らが詐欺を行っている」

      と批判されても仕方がないものであって,審査請求人は,本件サイト

      の広告を「サギ広告」と批判し,懲戒請求者らを「弁護士でありなが

      ら,サギ師同然の行為を行って恥じることのない輩」と批判した審査

      請求人の行為が,懲戒委員会の議決書が主張するように,「懲戒請求

      らが詐欺を行っている者であるかのように貶める」ものであり,「あ

      まりにも行き過ぎたもので,同僚の弁護士である懲戒請求者らを不当

      に誹謗,中傷するもの」であるとは思えない。

       仮に,審査請求人が懲戒請求者らを批判する際に使用した語が「攻

      撃的言辞」として批判の対象となるものであったとしても(これは審

      査請求人の性格に由来するものであり,その点については審査請求人

      も反省している。),それが,審査請求人を業務停止3か月という重

      い懲戒処分に処すことを相当とするほどのものであるとは思えないの

      である。

                                  以 上