岡山県北の弁護士 津山総合法律事務所  

岡山県北の弁護士 津山総合法律事務所(所長 弁護士黒田 彬)

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西村綜合法律事務所のインターネット上のサギ広告問題3

 

西村綜合法律事務所のインターネット上のサギ広告問題3

                  

     弁護士法人西村綜合法律事務所(弁護士西村啓聡・一法師拓也)がインターネッ  

    ト上において悪質なサギ広告を行っている問題について,同弁護士法人が「津山の

    弁護士による交通事故・後遺障害相談(弁護士法人西村綜合法律事務所)」と題す

    るサイトに新たに16件の事件を「最新」の「解決事例」として追加したため,岡 

    山弁護士会綱紀委員会に以下の書面を提出しました。

 

 

        岡弁2019年(綱)第5号事件

                  岡弁2019年(綱)第6号事件

                岡弁2019年(綱)第7号事件

 

                                                      主 張 書 面

                 

      岡山弁護士会綱紀委員会 御中

 

                                                                                        平成31年4月8日

 

                                               懲戒請求者 弁護士 黒   田       彬

 

         

       1 対象弁護士法人の示談交渉の「解決事例」

         懲戒請求者は,平成31年3月22日付主張書面において,対象弁  

        護士法人に本件サイトには未表示の交通事故の示談交渉についての解

        決事例が存在するのであれば,対象弁護士らとしては,本懲戒請求が

        なされた以上,「岡山県北有数のご相談・解決実績」,「大幅な賠償

        金の増額実績多数」という宣伝が虚偽ではないことを証明するために

        も,本件サイトには未表示の解決事例を「最新」の「解決事例」とし

        て追加するはずであるが,「最新」の「解決事例」の追加は行われて

        いない事実を指摘したが,その後,対象弁護士らは,本件サイトに1

        6件の「解決事例」の追加を行った(資料7の1~3)。

         対象弁護士らは,本懲戒請求がなされる以前には,

         ① 任意自動車保険未加入だったものの,治療費や慰謝料の受取に

          成功した事例

         ② 右足首骨折で示談金額750万円を受け取った事例

         ③ 後遺障害14級9号認定を獲得し,示談金額が160万円増額  

          した事例

         ④ 後遺障害併合11級認定を獲得し,示談金額990万円増額し

          た事例

        の4件を「最新」の「解決事例」として表示していた(資料2の3~ 

        5)が,上記4件は,対象弁護士法人が示談交渉を受任した事件では 

        なく,対象弁護士一法師が対象弁護士法人の社員となる以前に東京の

        弁護士法人法律事務所Astiaに勤務弁護士として在籍していた時期に関

        与した事件であって,対象弁護士らも,本懲戒請求がなされたことを

        知って,上記4件については,すでに本件サイトの「解決事例」から

        削除していること(資料6の1~3)は,3月22日付主張書面に述

        べたとおりである。

         したがって,対象弁護士らによれば,以前から「最新」の「解決事

        例」として表示していた⑤ないし⑦も含め以下の19件が,平成27

        年1月15日の設立以来の対象弁護士法人の交通事故の示談交渉につ

        いての「解決事例」のすべてであることになる。

 

         ⑤ 後遺症の事案 認定等級12級3号の例(平成29年度の事 

          例)

         ⑥ 死亡事故:約3か月間の短期間交渉で約3300万円で相手方

          保険会社と和解した事例(平成29年度の事例)

         ⑦ 死亡の事案 示談金額450万円増額の例(平成29年度の事

          例)

         ⑧ バイク事故の事例(平成31年度の事例)

         ⑨ 妊娠していた被害者の事例(平成30年度の事例)

         ⑩ 追突事故の事例(平成30年度の事例)

         ⑪ 後遺症の事案 認定等級14級9号(平成30年度の事例)

         ⑫ 物損事故の事例(平成30年度の事例)

         ⑬ 後遺症の事案 認定等級14級9号(平成30年度の事例)

         ⑭ 物損事故の事例(平成29年度の事例)

         ⑮ 過失割合で争いがあった事例(平成29年度の事例)

         ⑯ 後遺症14級の事例(平成29年度の事例)

         ⑰ 後遺症12級の事例(平成29年度の事例)

         ⑱ 追突事故の事例(平成28年度の事例)

         ⑲ 物損の事例(平成28年度の事例)

         ⑳ 自転車に追突されて受傷した方が当職らに依頼した事例(平成       

          28年度の事例)

         ㉑ 後遺症14級の事例(平成28年度の事例)

         ㉒ 後遺障害14級の事例(平成28年度の事例)

         ㉓ 物損事故における評価損の支払いについての事例(平成27年  

          度の事例)

 

          上記19件の「解決事例」には,人身事故だけでなく,物損事故も

        まれており,人身事故についても,賠償金の増額した金額が表示され

        ているものと,そうでないものがあるため,それらを区別し,年度別

        に集計すると以下のとおりである。

 

                  人身事故    人身事故    物損事故

                (金額表示あり)(金額表示なし) 

         平成27年度    0件      0件      1件

         平成28年度    2件      2件      1件

         平成29年度    5件      1件      1件

         平成30年度    0件      4件      1件

         平成31年度    0件      1件      0件

           合 計     7件      8件      4件

 

         上記から明らかなように,対象弁護士法人が人身事故について賠償 

        金の増額を実現した「解決事例」は平成29年度のものが多く,その

        中には⑤ないし⑦の事件のように賠償金の大幅な増額を実現したとい

        える事件もあり,それが,対象弁護士らが,平成29年8月頃,対象

        弁護士法人が,交通事故の示談交渉について,「岡山県北有数のご相   

        談・解決実績」を有し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有すると

        宣伝する本件サイトを開設した理由であったと推測される。

         しかし,平成29年度を別とすれば,平成27年の設立以来の対象

        弁護士法人の「解決事例」の数は,他の津山の法律事務所と比較して

        も,さほど多いものではない。

         対象弁護士らとしても,たかだかこの程度の実績で,対象弁護士法

        人が,交通事故の示談交渉について,「岡山県北有数のご相談・解決

        実績」を有し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有すると宣伝する

        ことには無理があることは認識していたはずであり,だからこそ,対

        対象弁護士らは,本件サイトを開設するにあたり,対象弁護士一法師

        が対象弁護士法人の社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所

        Astiaに勤務弁護士として在籍していた時期に関与した①ないし④の

        事件を「最新」の「解決事例」として表示し,それが対象弁護士法人

        が示談交渉を受任し,賠償金の増額を実現した最新の解決事例である

        かのように偽装しなければならなかったのである。

       2  「大幅な賠償金の増額実績」についての対象弁護士らの認識

         対象弁護士法人の人身事故の「解決事例」15件のうち,賠償金の  

        増額した金額を明らかにしているのは,⑤ないし⑦以外では⑯,⑰,

        ㉑,㉒の4件のみであり,賠償金の増額した金額は⑰及び㉒が「約万

        100万円円」,⑯が「約200万円」,㉑が「約300万円」であ

        る。

         ⑯,⑰,㉑,㉒の4件を「大幅な賠償金の増額実績」ということが

        できるかについては評価が分かれると思われるが,⑯,⑰の事件は「平

        成29年度の事例」,㉑,㉒の事例は「平成28年度の事例」であり,

        少なくとも「平成28年度の事例」である㉑,㉒の事件は,対象弁護

        士らが平成29年8月頃本件サイトを開設した時点で,「最新」の

        「解決事例」として表示することが可能だったものであった。

         ところが,対象弁護士らが本件サイトを開設した時点で「最新」の

        「解決事例」として宣伝していたのは,対象弁護士法人が実際に受任

        した㉑,㉒の事件ではなく,対象弁護士一法師が対象弁護士法人の社

        員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astiaに勤務弁護士として

        在籍していた時期に関与した①ないし④の事件なのであって,その後  

        ,⑤ないし⑦の事件が「最新」の「解決事例」として追加されたが,

        ⑯,⑰,㉑,㉒の事件については,その後も「最新」の「解決事例」 

        して表示されることはなかった。

         これは,対象弁護士らが本件サイトにおいて,対象弁護士法人が,

        交通事故の示談交渉について,「岡山県北有数のご相談・解決実績」

        を有し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有するという宣伝を行う

        ためには,対象弁護士法人が実際に受任した㉑,㉒を「最新」の「解

        決事例」として宣伝するよりも,対象弁護士一法師が対象弁護士法人

        の社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astiaに勤務弁護士と

        して在籍していた時期に関与した①ないし④の事件を「最新」の「解

        決事例」として表示し,それが対象弁護士法人が示談交渉を受任し,

        賠償金の増額を実現した事件であるかのように偽装した方が効果的で

        あると考えたからであって,少なくとも,対象弁護士らの認識におい

        ては,⑯,⑰,㉑,㉒の事件は,「大幅な賠償金の増額実績」として

        宣伝する価値の点で,①ないし④の事件より劣るものであったことは

        明らかである。

       3 対象弁護士らのサギ広告の常習性

         対象弁護士法人が,交通事故の示談交渉について,「岡山県北有数

        のご相談・解決実績」を有し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有

        するという宣伝の妥当性はともかく,対象弁護士法人が交通事故の示

        談交渉の分野で一定の実績を有していることは事実である。

         しかし,そのことは,対象弁護士らが,本件サイトにおいて,対象

        弁護士一法師が対象弁護士法人の社員となる以前に東京の弁護士法人

        Astiaに勤務弁護士として在籍していた時期に関与した①ないし④の事

        件を「最新」の「解決事例」として表示し,それが対象弁護士法人が

        示談交渉を受任し,賠償金の増額を実現した最新の解決事例であるか

        のように偽装した行為の評価に影響を及ぼすものではない。

         対象弁護士らは,本件サイトの開設以前から,対象弁護士一法師が

        対象弁護士法人の社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astia

        に勤務弁護士として在籍していた時期に関与した①ないし④の事件を,

        対象弁護士法人が示談交渉を受任し,賠償金の増額を実現した事件で

        あるかのように誤認させる広告をインターネット上において常習的に

        行っており,対象弁護士法人が交通事故の示談交渉について一定の実

        績を有するということ自体が,対象弁護士らがかかるサギ広告をイン

        ターネット上において常習的に行っていたことの結果であるといって

        過言でないからである。

         対象弁護士らが,これまで,対象弁護士一法師が対象弁護士法人の 

        社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astiaに勤務弁護士と

        して在籍していた時期に関与した①ないし④の事件を,対象弁護士法

        人が示談交渉を受任し,賠償金の増額を実現した事件であるかのよう 

        に誤認させるサギ広告をインターネット上において常習的に行ってい

        たことは,以下のとおりである。

        ⑴ 「弁護士法人西村綜合法律事務所」と題するサイト

          対象弁護士らは,平成27年4月21日,「弁護士法人西村綜合

         法律事務所」と題するインターネット上のサイト開設し,同サイト

         の「交通事故の被害者の皆様」のページにおいて,①ないし④の事

         件を「当事務所所属弁護士の成功事例」として宣伝していた(資料

         3)。

          対象弁護士らが,同サイトにおいて,①ないし④の事件を「当事

         務所所属の弁護士の成功事例」としているのは,それが,対象弁護

         士法人が示談交渉を受任した事件ではなく,対象弁護士一法師が対

         象弁護士法人の社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astia

         に勤務弁護士として在籍していた時期に関与した事件であって,「当

         事務所の成功事例」ではないからである。

          しかし,同サイトを見る一般市民が,「当事務所所属弁護士によ

         る成功事例」と「当事務所による成功事例」とを区別することは困

         難であって,「当事務所所属弁護士による成功事例」という同サイ

         トの表示は,①ないし④の事件が対象弁護士が示談交渉を受任し,

         賠償金の増額を実現した事件であると一般市民を誤認させるもので 

         ある。

        ⑵ 「弁護士ドットコム」

          対象弁護士西村は,平成27年秋頃,インターネット上の弁護士

         検索サイト「弁護士ドットコム」に登録したが,同サイトの対象弁

         護士西村のページにおいて,対象弁護士西村は,注力分野として

         「交通事故」を表示し,その「解決事例」として②ないし④の事件

         を表示していた(資料8の1,2)。 

          対象弁護士西村は,「弁護士ドットコム」のサイトにおいて,「

         当事務所所属の弁護士は,年間60件以上の交通事故の相談を受け

         ており,実績も多数あります。」,「詳細は解決事例をご覧くださ

         い。」として,②ないし④の事件を宣伝しており,対象弁護士西村

         が,同サイトにおいて②ないし④の事件を対象弁護士法人が示談交

         渉を受任し,賠償金の増額を実現した事件として宣伝していること 

         明らかである。

         上記のように,対象弁護士らは,これまでも,対象弁護士法人一法

        師が対象弁護士法人の社員となる以前に東京の弁護士法人法律事務所

        Astiaに勤務弁護士として在籍していた時期に関与した①ないし④の事

        件を,対象弁護士法人が示談交渉を受任し,賠償金の増額を実現した

                       事件であるかのように誤認させる広告をインターネット上において常

        習的に行っていたが,本件サイトにおける対象弁護士法人の広告がこ

        れまでの弁護士法人広告と比較しても特に悪質であるのは,本件サイ

        トにおいては,たんに①ないし④の事件を対象弁護士法人の「解決事

        例」として宣伝するにとどまらず,それを,対象弁護士法人が,交通

        事故の示談交渉について,「岡山県北有数のご相談・解決実績」を有

        し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有するという宣伝の根拠とし

        ていることであり,懲戒請求者が本懲戒請求をなした理由もその点に 

        あった。

         しかし,そもそも,弁護士が,他の弁護士が過去に受任した事件を

        自らが最新に受任した事件であるかのように偽装し,その宣伝に使用

        するということはサギ師同然の行為であって,対象弁護士らが行った

        行為は弁護士の行為として絶対に許されるものではない。

         したがって,本件サイトにおける対象弁護士法人の広告は,対象弁

        護士法人が,交通事故の示談交渉について,「岡山県北有数のご相談・

        解決実績」を有し,「大幅な賠償金の増額実績多数」を有するという

        宣伝の当否は別としても,対象弁護士一法師が対象弁護士法人の社員

        となる以前に東京の弁護士法人法律事務所Astiaに勤務弁護士として在

        籍していた時期に関与した①ないし④の事件を,「最新」の「解決事

        例」として表示し,それが対象弁護士法人が示談交渉を受任し,賠償

        金の増額を実現した最新の解決事例であるかのように偽装している点

        において,弁護士としては絶対に許されない悪質なサギ広告というべ

        きものであり,かかるサギ広告を常習的に行っている対象弁護士らは

        懲戒処分を免れないものである。

 

                      証 拠 資 料

 

 

             7の1 「津山の弁護士による交通事故・後遺障害相談(弁護士法人西村  

              綜合法律事務所)」と題するインターネット上のサイトの「解決 

              事例」のページ(平成31年3月27日更新)

           7の2 上記サイトの「バイク事故の事例(平成31年度の事例)」のペ

               ージ(同)

           7の3 上記サイトの「カテゴリー」のページ(同)

           8の1 弁護士検索サイト「弁護士ドットコム」の対象弁護士西村の「注 

               力分野」「交通事故」のページ

           8の2 上記サイトの「解決事例」「交通事故」のページ